8/10 コラム(転載)

  先日、新聞でこんな記事を読んだ。

「積極的に子供を産んで育てたい社会ではない」

  ずいぶんショッキングな見出しだ。これは妊婦や子育て中の母親に対して行ったアンケート結果とのこと。アンケートの結果というのは質問の作成や編集の仕方によって相当解釈が変わってしまうので、全てを鵜呑みにできるわけではない。
  けれども、受動喫煙、ユニバーサルデザインのトイレや階段が足りないこと、など意見にはうなずけるものも多くあった。中には「子どもが泣いている時白い目で見られる」という意見もあった。
  きっと、自分のバカさ加減には気づかずにそんな視線を向ける無粋なヤツはいるのだろう。ただ、お母さんたちが過敏になっている部分もあると思う。先日、泣いていた赤ちゃんをあやそうと思って横をちらりと見たら、やたらと恐縮されたことがあった。いえいえ違うんですよ、僕は子どもが好きなので、なんてことを言うとこのご時勢またややこしくなる。そこは黙って極力ニコニコするように頑張っていたのだが、いやはや難しい時代になったのだ。

  でも、世の中そんなことばかりではない。
  我が家もようやく子どもを授かってから早やくも1年半経ったのだが、妻は出産の6週間前くらいまで仕事に通っていた。その中でいつも同じ電車に乗っていたのだけれど、途中の駅で降りる年配のご婦人がいつも会う度に席を代わってくれたのだそうだ。いつもじゃ悪いから、と遠慮して別のドアから入ると、わざわざ探しにまで来てくれる。そうして自分の経験談や身の回りのことを話しながら毎日数分の時間を過ごしたそうだ。
  もちろん今でも手紙のやりとりは行われているようだけど、ありがたいことだし、こういう縁というのも素晴らしいことだよね。
  僕も電車に座った時はなるべくお年寄りや妊婦の方や子ども連れを探すようにしている。妻がしてもらった分は僕が返さなくちゃいけないもの。

  普段はビールばっかり飲んでいる酔っ払いの僕だけれど、ダメおやじながらも妻と子どものサポートもやっている。
  我が家の教訓は「晩酌はみんなで」。
  おかげで子どもの好物は枝豆である。

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  東アジア選手権が終了した。
  結果オーライはオーライでいいし、若手が経験を積んだのも結果オーライとしてならいい。
  でも、それまでのメンバーに、あの総とっかえの意味は明示されているのだろうか?
  戦術しばりがないから、選手によってまったく別のチームになるんだけれど、その場合、この総とっかえにどういう意味があるのか? なにかの積み上げになっているのか?
  正直、小野や稲本を押しのけて阿部や今野を起用するとは思えないし、中田や中村の代わりに本山を出すとは思えない。いったい、なんのための経験なのだろうか?
  競争があるチームになった? 怪我の功名なのに? やれやれ...