7/20 コラム(転載)

 先日、とある出版社の方から原稿の執筆依頼をいただいた。
  僕のようなライターに書かせてくれるというのだから「ありがたや、ありがたや…」とお経を唱えたのはいいのだけれど、行き違いがいろいろとあり、正式にGOが出たのは締め切りの4日前...。

 もちろん通常行っているディレクションの仕事も、市原と草津への出張取材も、並行して行われる。まあ、普通の人だったら問題ない範疇なのだろうけど、僕は筆がすごく遅いタイプのため、徹夜気味にやってもなかなか追いつかない。
  眠くなったり、疲れてくると筆力が落ちる。頑張れど雑になる。久しぶりに「やっぱり、文章は体力なんだ」ということを思い出した数日だった。

 とはいえ、なんとか締め切りにも間に合い、僕らしさも多少は出た。終わったらそれはそれで気持ちが良い。いそいそと支度をし、本屋で小説を購入し、馴染みの鮨屋に出かけた。
  まずは生ビールを注文。よく冷えている。泡もちょうどいい。うん、美味い。まずは喉越しでごくごく。酷使したポテンシャルの低い脳幹にビールがじわじわと染み込んでいく。うーん、極楽。

 ビールの実と殻の部分(アルヴィン・ストレイト的)…本体部分と泡の部分の関係って難しい。泡が少なくてもだめ。多くてもだめ。近ごろ、ファミレス系のレストランに行くと、泡が半分くらいのとんでもないビールが出たりする。これってすごく腹が立つ。だって480円のものを頼んで300円のものしか提供されなかったようなものだもの。まあ、それでもなかなか文句が言えないんだけれど。

 僕の行きつけの鮨屋は実に真っ当な店なので、パーフェクトに近いビールが出る。これでエビスだったら最高なのだけれど、とりあえず地元サントリー工場からもぎ立てのモルツが来ている。旬の真子鰈やキスをつまみ、さらにビールをごくごくごく...。
(ここから先はずっと同じような回想が続くので割愛します)

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 さて、先週は味の素スタジアムで東京ダービーが開催された。
  東京…って言っても、なんだかピンと来ない。飛田給の原っぱのど真ん中に作ったスタジアムだし、両チームとも23区外の市が出資しているし。地元では、三多摩ダービーなんじゃないの? なんて話もしている。

 ちなみに僕が住んでいる府中市はFC東京に出資していて、各商店街には必ずチームフラッグがたなびいている。FC東京所属の選手たちは毎年出資地域の商店街を訪問して、よろしくお願いしますと握手をしたり、サインや記念撮影に応じたりしている。数度その訪問を取材したことがあるのだけど、ラーメン屋さんに入っていって握手したり、炎天下の中サインに応じたりと、それはそれでなかなかエライことを行っている。

 また、FC東京のスタッフの方たちは、実にこまめに企業や商店などに挨拶周りをしている。僕の自宅の近所にあるラーメン屋にまでサイン入りポスターが張ってある。デパートのエレベーター正面にポスターが張ってあるし(目立つ!)、早朝に駅前で顔見知りのスタッフがビラを配っていたりする。これまたなかなかエライことである。

 もちろん支援する団体や商店街の世話役やいろいろな地域の方たちがいるから、そういう活動ができるだから、地域密着の進行度合いがここで見えてくる。地道だし、スタジアムの雰囲気とは多少温度差があってそんなに人気があるわけじゃない。でも着実に地域に根付きつつある。タクシーに乗ったとき、運転手とサッカーの話題をするくらいにまではなってきている。
  僕も微力だけれど、「つまんない」とか「ファウルが不透明(確かに!)」とか文句言われながら、勧誘や紹介などそれなりに地域のために(もちろんサッカーのためにも)頑張っている。

 この結びつきの芽が出て花開く時を思うと、今から楽しみでならない。