6/15 コラム(転載)

  関東は入梅です――。
  天気予報はのんきにそんなことを語りかけているけれど、眉に唾をつけてしまうくらいに暑い。

  息子は大喜びで噴水のある公園に連日出かけ水遊びに興じている。付き添いの妻はまるでパンダのようにアーティスティックな土方焼け。

  夜、家に戻って、日の光をたっぷりと浴びた健康そうな二人を眺めるのは悪い気分じゃないけれど、僕ばかりノケモノだとなんだかツマラナイ。
  僕だってこの暑さを満喫したいのだ。

  負けてなるものか、とベランダに特設リングならぬ、特設テーブルと椅子を設置。台所に戻って、そろそろ終わりかけの空豆を網焼きし、冷えたトマトを切る。小皿に藻塩を盛って、冷やしたグラスとキンキンのエビスビールと団扇を持ってベランダへ。空豆はたっぷりのお湯で湯掻いてもいいけど、網焼きにすると旨味が逃げない。

  熱々のところを皮を剥き、軽く塩をつけて食す。ビールをごくり。
  まだなお温い風が、咲き始めたくちなしの甘い香りを連れ、汗を拭って吹き抜けていく。
  また、ビールをごくり。
  うん、夏はいい。

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  さて、われらが日本代表はワールドカップ最終予選を順調に勝ち抜いた。
  まずは、選手、監督、スタッフ、サッカーに関わるすべての方々におめでとうと言いたい。3大会連続出場はなかなかの偉業である。

  ただ、前回も書いたし、選手もサポーターも気づいていると思うけど、このままでは本大会のグループリーグを勝ち抜くことはかなり厳しいもになると思う。
  今まで強豪国と対した時のように、押し込まれてからリアクションで組み立てるのであれば、1発勝負の本大会はかなり厳しい。日本の守備の文化はまだまだ浅いし、相手チームは今までのように拙攻ばかりはしてくれない。欧州や南米のチームは勝負に敏い。アジアでのラッキーが続くとはどうしても思えない。

  これからの1年が強化の正念場となることは間違いない。それには、コンフェデレーションズ杯での戦いが大きなポイントになる。世界との差を測る絶好の場である。

  コンフェデでは、存分に自分たちらしさを出した日本が観たいものである。