6/26 J1第15節 東京V×大分 【味スタ】

 陽光の当らない席で座っていても、MDPとかで扇がないとやっていられないくらい気持ちが悪くなるような蒸し暑さだった。観ている側でさえそうなのだから、陽射しもあるピッチでプレーしている選手にはダイレクトに響いたことだろう。試合の内容にもしっかり影響した。

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 累積と負傷で主力クラスをごっそりと欠く大分は、右から松橋、吉田、原田、前に永井というダイヤモンド型なんだけど3ボランチ気味の中盤を作ってきた。右の松橋は三浦のウラに走らせてイニシアテゥイヴをとるのが狙いなのかな、と思っていたのだけれど、指示だったのか、そのスペースに松橋の走りこみはなかった。
 それと、緊急布陣の影響があるのか、暑さ対策なのか、以前観た中盤でのチェックが鋭く、攻守の切り替えが速いという印象はなかった。

 前半の展開としては、ラインを高くしてコンパクトに守りながら、4枚のデイフェンスと3枚の中盤でボールを取って永井、マグノアウベス、高松でサイドに基点を作りながらゴールを目指す展開。
 守備も丁寧で、ラインコントロールも出来た。ボランチ気味の3人からの展開がいまひとつだったけれど、ポゼッションをしながら高い位置まで上がってくる東京Vの隙を狙ったカウンターはなかなか実行力があった。前半30分ごろだったと思うんだけど、高松が得た大きな決定機を逃さなければ、試合内容はまったく変わっていたことだろう。
 あの少し不運なPKを取られるまでは、大分のリズムで試合は展開されていた。


 後半、東京Vは左サイドに流れるたびに倉本を抜けなかった森本をおろし、エムボマを投入。この効果があった。ポストでのタメが生まれるとともに、一発で局面を変えてしまう怖さで、大分ディフェンスがずるずると下がり始める。スペースが出来てくる。そのうえ、暑さが効いてきてスピードが弱りはじめる。
 こうなると、完全に東京Vのペース。ボールを回して、局面を変えながら、ゲームを作っていく。

 そんな流れのなかでエムボマの脅威から生まれたチャンスにより、平本の抜け目ないゴールが決まる。平本は、大悟とのワンツーから抜け出した渋いゴールも決める。これでゲームが決まったかと思いきや、戸川が2枚目の警告で退場に。

 大分が反撃にかかるが、幾度もあったチャンスをつかめず、コーナーキックからこぼれたボールを高松が蹴りこむだけにとどまってしまった。
 
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 雑なくくりだけど、アルゼンチン的にポゼッションに拘ったアルディレス監督と、欧州らしい組織と戦術がベースのベルガー監督の哲学のぶつかりあいは、ここまで暑くなければもっと面白かっただろうと思う。逆に言えば、暑い中の泥試合では、ボールを保持できる技術が高いチームに分があるのかもしれない。


東京V 3-1 大分 [東京V]林(前41分/PK) 平本(後8分、14分) [大分]高松(後31分)