5/5 J1第8節 東京V×市原 【味スタ】

 後半、スタッツをつける手が止まった。僕は記録をとることをあきらめて、バインダーをバッグにしまいこんだ。こういう試合はとにかく観るに限る。
 いい試合だった。端午の節句に相応しい、激しく雄雄しい試合だった。12000人という人数はとても寂しいけれど、このような試合を続けていけば、もっともっと観客は増えるだろう。
 
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 前半の東京Vは今年観た中でも良い出来だった。中盤でボールポゼッションして相手をいなしながら、林が正確なミドルパスを前線やウラに供給する。平本や飯尾がゴールに向かう気持ちの入った動きをする。平野、山田のサイド突破とクロス。櫛野の神がかりセーブがなければ、前半の結果はまるで違ったものになっていただろう。

 1点リードされている東京Vは、後半リスクをかけて右サイドにストッパーの米山を走らせ、前線での数的優位を作った。このため、市原で一番のアクセントになっている村井のサイド突破とクロスが減った。イニシアティヴの大切さを感じさせる良い采配だった。後半早々の村井→サンドロのような展開を何度もされてしまえば、いつかは決まってしまう。
 その分、いつもどおり、三浦のウラを使われた。これはこれで、慣れてくれば守りやすいかもね。

 それと森本がようやくゴールを決めた。初ゴール&新記録おめでとう。やはり、森本は後半、相手が疲れた時に出てくるのがいい。このゴールによって、正常な競争が生まれるようになり、フォワード陣のモチベーションはあがることだろう。吉兆である。

 中盤を厚くしてサイドにスペースを生むことにより、サイドでゲームを作ろうとしていること、この日の采配など、アルディレス監督は素晴らしい仕事をしたと思う。

 ちなみに、後半から出てきた大悟も良かった。ナビスコのゴールで得るものが大きかったのだろう。それが自信の回復に繋がったのだと思う。
 
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 市原も素晴らしいサッカーを展開した。
 守備時には7人で守り、攻撃時にはものすごい勢いで前線に飛び出していく。その攻守の切り替えの速さ。運動量。去年観た時よりも、速さも運動量も洗練されているように思う。あとは決定力だよね。チェヨンスがいたら…という場面が何度も何度もあった。

 前半、中盤で圧倒されてしまった市原は、後半プレッシャーをかけ始めるラインを低くした。そして、東京Vがディフェンスラインから中盤にボールを繋ごうとする瞬間に、入れ代り立ち代り厳しいプレッシャーをかけた。後半10分くらいのプレスは鳥肌ものだった。

 ただ、気になるところもあった。
 このあたりは、HDD(買ったんです!)に録画しておいたので、今度暇なときに見てみよう。

 櫛野は神がかりなところといい、ビジュアルといい(!)、一度くらい代表に選ばれて全国区になって欲しいなあ。そうすれば、集客も増えると思うのだけど。