4/25 親善試合 日本×ハンガリー 【TV】

 最初に厳しいことを書いておくと、ゲームプランをきちんと立てて、メンタルを強く持ち、最初の15分で相手と伍す、もしくは押し込んでいれば、イニシアティヴを取れたはずだった。イニシアティヴが取れていれば、先手で采配が振るえ、勝つこと吝かではないような相手であり試合であった。

 けれども、いいところなしだった70分を除くと、なかなか良い最後の20分だったと思う。中盤のプレスから(緩いプレッシャーだったけど)高い位置で相手のボールを奪い、速攻でディフェンスの枚数が揃っていないところに繋げてフィニッシュする。相手のディフェンスがスタミナ切れで集中もなくして動けなくなっていたというエクスキューズはあったにしても、いい形で相手を崩せたゴールだった。久しぶりに見たような気がする。(気がする…だけかもしれないけど)
 まあ、最後のPKはジャッジが厳しすぎるようにも思うが、親善試合用のペナントでもプレゼントしたものだと思えばいい。

 チームのメンバーについては初顔合わせのメンバーもいることだしここで評価するのは早計のように思うが、2トップは数字として結果を出した。
 この結果を受けて、チェコ戦をどのような布陣で戦ってくるのか。結果によるリアリズムを目指すのか、幻想としてのファンタジーを志すのか。これは見ものである。(もちろん、予想は後者)
 個人的には、監督の考えは置いておいても、チーム内の競争は大歓迎。心情的には国内組優位。がんばれ、久保、玉田。

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 しかし、今日あらためて思ったことがある。
 ジーコ監督のサッカーって、以前コラムで書いたフォレスト・ガンプの「チョコレートの箱」なんだなって。大体が中に入っているのは毒薬なんだけど、ビタミン剤が出てくる可能性がわずかだけど残っている。今日のように毒薬だったのに、途中でビタミン剤のように変化することもある。その変化が笑ってしまうほど瞬間的で不条理なのはジーコ監督が根っからのファンタジスタである所以だろうか。

 きっと、辰巳渚いわくの「『がっかり』を買う」という高度な消費行動を、僕たちは強制的に味わわされているのだろうね。それもすごいな...。