4/3 J1第3節 FC東京×東京V 【味スタ】

 まずはFC東京。
 ポイントはふたつ。ナビスコ杯鹿島戦で露呈したボランチとディフェンスラインの関係が改善されたかがひとつ。これはかなり改善されていた。ボランチは横に並んで、1枚出たら1枚残るというようにスペースを作らないようにしていたし、ディフェンスラインとの連携もまずまず。(森本を警戒してか、ラインはそんなに高くなかった)

 もうひとつは、前線で基点が作れないがために、サイドが効かずに波状攻撃が出来ないということ。
 これは開幕から続いている問題であり、負傷と代表問題で選手がいないためもあってか、ポストとしてもセンターフォワードとしても結果を残していないルーカスと、ゴールに向かうプレーが特徴の阿部を併用し続けていることが要因になっている。使い続けるうちにコンビネーションもあうのかと思いきや、なかなか良くならない。

 ナビスコ杯では数ヶ月ぶりに復帰した馬場が機能した。高い位置でしっかりとボールキープして基点になったため、サイドがあがれるとともに、ゴールに近い位置での展開ができるようになったのだ。このチームにとって、前線でのタメがいかに重要か選手も観客も再認識できたはず。だから、当然馬場とルーカスか阿部のスターティングになると思っていたが、またルーカスと阿部のコンビだった。原監督が馬場を前半温存したのはまだ万全な状態ではないからかも知れない。


 前半は高い位置でのタメは考えずに、中盤から浅いヴェルディのウラにどんどんボールを供給した。特に宮沢は形勢を変えることができるような繊細なミドルパスを出すのがうまい。最近はミスキックも多いけれど、それは去年以上に多くのミドルパスを宮沢が出しているからということもあるだろう。それに後半10分くらいにルーカス出したアウトサイドで蹴って曲がって止まるパスなんて芸術品。
 ただ、宮沢は真面目でおとなしい性格なので、おそらく指示を守ってなのだろうけど、ボールを出したあと前線にあがらない。ここが僕は不満。去年のセカンドのように高い位置までどんどん上がっていって、波状攻撃をしかけて欲しい。

 ルーカスは1対1もはずすし、クロスにはあわないし、ケリーが戻っても点が取れないようであれば、かなりまずい状況にある。
 その分、戸田が点を取ってからは、馬場も入ったこともあるのか、前線でのあの神出鬼没な動きもするようになり、息を取り戻した。戸田が機能するようになると、またスピード感溢れたFC東京に戻る。

 この試合を逆転で勝ち取った効果は計り知れない。ナビスコまでが産みの苦しみだったのかどうかは、清水戦で明らかになるだろう。

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 さて、今度は東京V。
 驚いたのが、あまりポゼッションじゃなかったこと。特に前半。中盤を省略してエムボマに当てて、森本を中心にラインのウラを狙う。下手に横パスをカットされて、FC東京のスピードに勝る攻撃陣に高い位置から速攻を食らうことを恐れたのだろうか。それが功を奏したのか、平野の技ありループで先制した。

 森本。良かった。
 ボールサイドの一番逆サイドでディフェンダーの視野から外れて中央に切れ込む。ドリブルしながら、身体の角度を変えられるボディバランス。緩急のあるドリブル。スペースに走りこむ感覚。おいおい、柏戦とは全然違うじゃないか! あれは相対することが多かった渡辺毅中心のディフェンスと池谷監督の作戦勝ちだったのか。しかし、茂庭が必死だった。
 ただ、個人的にはやはりサブでやらせてあげたい。サブで出たほうが相手はやりにくいし、得点を取れる可能性が出てくる。スタメンで出てくると、相手は相当警戒するから、そうそう点が取れない。早く点を取らないと、フォワードは崩れてしまう。さすがに15歳(だったっけ?)だから、そこが心配。

 全体的な内容では、柏戦より良くなってきていると思う。ポゼッションにこだわらず、トップに当ててポストやフリックなどを使うことによって、選手も走れるようになったし、タテへのスピードも出てきた。
 このチームも来週のガンバ戦が楽しみだ。