3/20 大分×FC東京 【TV】

 前節に引き続き「チャンスは多く作っているのに決めるところで決められない」という単純だけれども、根深い課題によってFC東京は大分に逆転負けを喫した。

 また、チームとしての細かい問題もあった。

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 スターティング・ラインナップは前節と同様。
 通常であれば、右に石川でポイントを作り、左は戸田の運動量とスピードによる飛び込みというのが前線の両サイドなのだけど、逆に左で鈴木にポイントを作らせ、右の戸田を飛び込ませる布陣を作った。ここがまずひとつの問題となった。確かに鈴木の出来は良かったし、戸田も持ち味を発揮した。しかし、連動性がなくなってしまっていた。

 通常、右サイドで石川がボールを持つときは、サイドバックの加地や徳永がうまく絡んで、追い越したり、ワンツーをうけたりして組み立てていく。また、左サイドの戸田がリスクチャレンジをして飛び出したり、中に絞った時には中盤にスペースができるので、そこに金沢がするするとあがってクロスをあげたり、シュートに持ち込んだりする。
 ところが、左に鈴木、右に戸田だと、その逆になる。戸田の後ろにはスペースが出来る。しかし、そこを加地が使うわけでもない。戸田はあまりタメないから、追い越すこともなかなかできない。
 左では鈴木がキープしても、金沢がそれを追い越すわけでもない。サポートがない状況が増え、孤立してしまいがちになる。もしくはトップが流れてサイドで数的優位を作ると、中央には人が減る。まあ、こんな悪循環が生まれてしまった。

 また、ルーカスと阿部のコンビがいまひとつあっておらず、前後の関係が出来ていない。どうしてもヨコに並んでしまい、2列目と距離が空いてしまう。
 後半にいちどルーカスから宮沢に落として、ディフェンスラインのウラにスルーパスで戸田が勝負という展開があった。このときは、ルーカスと宮沢の距離が近かった。この関係ができるようになれば、もっと相手を崩せるだろうし、得点効率も高くなるだろう。

 結局はケリーと石川が戻れば、ということになるかも知れない。
 ただ、シーズンは長いし、五輪で石川が離脱することもある。やはり、トップを目指すには、ケリーと石川がいないチームのブラッシュアップは今後も必要となるだろう。

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 大分は、試合中、ラインをかなり高くあげてコンパクトにする意識を強く持ち、ボールホルダーには厳しいプレスをかけた。時には反則にもなったが、気持ちを強くハードに攻め、数少ないチャンスを決めた。戦力を考えたいいチームである。

 マグノアウベスはプレーがはっきりしてなかなかいい選手。それに負傷退場してしまった三木もスピードもあるし、当りもハートも強い。今後の代表入りが期待される選手である。