3/4 U-23日本×U-23レバノン 【TV】

 まずは予選の初勝利おめでとう。
 僕自身も気負っていたのか、先制点が入った瞬間に大きな声を出してしまい、ようやく眠りについた息子を起こしてしまった。ごめんごめん…

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 良かった点はディフェンスの安定。レバノンも勝ち点が欲しかったということで、リトリートではなく中盤を作ってくれた。
 バーレーンのように引いてロングボールを出されると、全体がどうしても間延びしてしまう。ラインが分断され、孤立してしまいがちになる。そこにシステム・ハカイダーと化した闘莉王が攻め上がる。ボランチとサイドがカバーに追われてバランスを崩す、という恐怖の悪循環が生じる。それがなかった。さすがに「おまえ今日は自重せい」と山本監督に指示されたんだろうね。(それでも後半は回数が増えた…)
 まあ、相手が中盤を作り、闘莉王がラインの仕事に集中し、ディフェンスラインでのチェンジ・オブ・ペースもでき、パス回しによる緩やかなサイドチェンジもできた。それがディフェンスの安定に繋がった。

 もちろん、それも前線の平山、田中、松井、石川の気合の入ったチェイスから始まっていることだし、今野と啓太の絶対にここから先に通すものかという鬼神のようなプレスがぎこちないディフェンスラインのプッシュアップを呼んでいるわけであり、全体の連動性があったからバランスがよくなったのは言うまでもない。
 前半35分までは、実にすばらしい展開であった。

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 課題は、先制点が入るまではやや気負いすぎで、ともすれば過緊張の様相を見せていたにもかかわらず、2点目が入ってからは緊張の糸がぷつりと切れて、雑な仕事が見え始めたこと。特に、後半はプレーが軽くて落ち着きがない、昔の五輪代表に戻ってしまったようだった。

 平山よりもポストが得意ではない高松をトップに据えたことで、松井のキープ力が基点となったのだけど、気持ちが楽になったためか疲れのためなのか、松井のプレーが昔のように軽い。
 本番なので山本監督も慎重になったのだろうけど、もう少し早い時間で同様にキープ力で基点となれる前田を投入すべきだったと思う。
 松井だけではなく、他の選手も、他の場面でも軽さや落ち着きのなさが見られた。これは若さなのだろう。

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 勝ち点6を持っているUAEは、前半ディフェンスを固め焦りを誘ってカウンターを狙ってくる可能性が高い。この後半のような軽くて雑なプレーをしていると厳しい。

 緊張とリラックスのちょうど良い関係を自分で見極めてほしい。この大舞台はそれを掴む大きなチャンスだ。それによって、課題は大きな成長の跡へと変化を遂げることだろう。