2/12 日本×イラク 【TV】

 イラクはよく戦った。攻守の切り替えは速かったし、中央にボールを預けたら懸命に前に走り出す。ボールが足についていないところ、前線での創造力に乏しいところを見ても、個人の能力は日本より劣っているけど、試合を観たほとんどの人がそう思ったように、チームとしては日本より良かった。

 結局、今のようなルーズなサッカーでは、いつものように中田が怪しげな最先端モードに身を包みながら颯爽と現れて「コミュニケーションが足りないんだよ」と口先を曲げつつ、中盤でタメを作ってサイドとボランチに上下動の運動量を発揮させ前線に上げない限り、魅力が生まれてこないのデス。
 そうじゃない場合は、ハーフウエイラインで持ち前のボールキープ力を活かしてせっせと足元に横パスを繋げるしかない。チャンスはセットプレーでゾーンを相手陣内においた時の相手のミスがらみ。コンビネーションもコミュニケーションもあったものではない。ふう...。

 まあ、それも無理はない。
 泡とアルコールが入っていないビールのような、あのマレーシア戦から5日。(それって麦茶?)もともと選手たちによる白血球的な自浄能力しか修正機能を持ちあわせていないから、良くなってこないのが当たり前。

 また、いくら話合いを続けて「この場合はこうしよう」と確認しあっていても、中田が帰ってくれば中田の意思を反映するチームになる。
 オフを返上して代表合宿に合流し練習を続けていても、腰痛から復帰したばかりの選手が欧州からしるしをつけて戻ってくれば試合にだされることもなくチームから外される。
 無力感はある。

 代表に貼りついている取材者が、そのあたりを穿てば面白い記事が書けるだろうに。まあ、間違った代表の日当を新聞に載せるくらいだから、そんなものを求めてもしょうがないけれど。

 ともかく、自浄能力さえも底をついた。あと6日で改善はできない。ただ、オマーンというチームの実力はわからないけど、中田が戻ってくればなんとかなるのだろう、と僕は思っている。
 楽観はしていない。それで勝てないかも知れない。でも、このチームはそういうチームなのだ。